2026年4月15日発行 第278号

7年ぶりの台湾
  私の所属する多治見西ロータリークラブは、1974年台湾の苗栗ロータリークラブと姉妹クラブの契約を締結しました。苗栗市は台湾中部にある、人口約10万人の客家人の多い街です。台北からは新幹線で45分ほどのところにあります。
 姉妹提携以後、毎年春に両市において小学生の交流書画展を開催しています。この開幕式や姉妹契約更新のため、毎年クラブ会員が相互訪問をしています。今年も3月中旬に多治見から17名が、書画展の会場となる苗栗市役所を訪問しました。
 私にとっては7年ぶりの台湾です。コロナ禍で海外旅行を自粛していたからです。3年前のコロナ発症以来、実は嗅覚をほとんど失っていました。味覚はありますが、においのない生活が続いていました。やっと、70%くらい戻ってきたので台湾のにおいを嗅ぎたくなったのです。
 台湾のにおいとは、あの臭豆腐の強烈なにおいではありません。私にとって、台湾のにおいとは、台湾社会にある戦前の日本のにおいのことです。中学校の歴史の時間を思い出してください。日清戦争に勝利した日本は、1905年から1945年まで50年間台湾を統治しました。
 ですから、台湾には日本が残した建築物、社会制度、日本語を話す人々が残り続けています。私は戦前生まれではありませんが、祖父母、両親から戦前のにおいを教えられました。また、日本の近代史もそれなりに学んできました。だから台湾の街を歩き、台湾人と交流していると、時々戦前の日本のにおいを感じてしまうのです。
 日本にとって、台湾は最初の本格的な海外領土であり、近代化の巨大な実験場であったと言われています。その頃の日本の野心、近代化への熱望には心を揺さぶられるものがあります。同時に植民地支配の傷跡には心を痛めます。
 今回の台湾訪問、やはり日本の戦前のにおいを感じることができました。「台湾を知ることは日本の本当の近代史を知ることになる。」気が付けば、移動のバスの中、マイクを握ってクラブの仲間に熱弁を振るっていました
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
弁護士の交渉術 7
 今回からは,「続!弁護士の交渉術」というテーマで,お話します。弁護士である私がさらに「交渉」について興味をもって読んだ本,世界中のベストセラーでもある「ハーバード流交渉術」「新ハーバード流交渉術」から「イエスを言わせる方法」「交渉のコツ」について感じたことをお伝えします!
 繰り返しになりますが,弁護士は交渉が上手い,とも言えるのですが,実は,一般的な日本の弁護士の場合,その交渉の基礎が活かせるのは,これまで「弁護士の交渉術」で書いた通り,裁判所を使った交渉に限られます。なぜかというと,弁護士になるための試験では,「交渉」の科目はないからです。
 しかし,裁判をして,お互い激しく傷つけある状況を見る中で・・・私としては,出来れば裁判ではなく話合いで解決出来たら,少なくとも調停までで解決出来たら,という思いがあります。そんな中で,改めて話合いによる解決のために必要な「交渉術」を学んでいます。今回は,交渉技術では日本よりもずっと先を行くアメリカのハーバード大学交渉学研究所の所長,弁護士事務所も開設している著者の書いた「ハーバード流交渉術」と,ハーバード・ネゴシエーション・プロジェクト責任者と精神医学部教授で心理学を専攻している著者との共著「新ハーバード流交渉術」の本より,「駆け引き型交渉」の上を行く交渉方法とは?相手の拒絶反応をなくす「話し方」とは?感情の源である5つの核心的欲求とは?を順番にお伝えします♪それでは,イメージしてください・・・
 「このりんごいくら?」「おいしそうなリンゴでしょう?200円で譲るわ」
 「そんなにふっかけたらだめよ。これへこんでるわ。50円ってとこね・・」
 「本気で買うつもりがあるのなら勉強しますが,50円はひどすぎますよ・・・」
 このやりとり。売主,買主のように,双方が異なる「立場」で正当性を主張し,状況によって多少の譲歩をして妥結する,というのがよくイメージされる「交渉」。これをハーバード流交渉術の著者は,「駆け引き型交渉」と言っています。しかし本来目指すべきは,「原則立脚型交渉」。では,その違いは何なのか?また,次回に続きます
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
本の紹介(不寛容論)
  久しぶりに本の紹介をしたいと思います。新潮選書から森本あんりさんが書かれた不寛容論〜アメリカが生んだ「共存」の哲学です。何だか難しそうですが、一言でいうと、「自分と異なる価値観や立場の人と、どう共存していくかを問いかける」内容です。
 今まで私はどちらかというと、多様性を認めることができる寛容な人間だと思っていましたが、この本を読んで、意外とそうではないことに気づかされました。
 今世界では、ロシアによるウクライナ侵攻、アメリカ・イスラエルとイランを巡る軍事衝突とあちこちで、あらゆる紛争が絶えません。日本が戦争に巻き込まれる危険や石油などの資源問題、台湾有事などを考えると、日本の領土や暮らしにも関わってくることでしょう。
 オールドメディアは、まるでお花畑の中から世界を眺めるかのように「話し合いが大切」と繰り返しますが、現実にはお庭の外で火種が燃え続けているのです。国連の常任理事国が国際法を無視している訳ですから、制度の限界でしょう。
 結局のところ、人は自分には関係のない事柄には多様性を認める寛容さを持ち得ますが、当事者になると、あらゆるところで不寛容になるということですね。
 喧嘩が起きると、勝った方が正しく、それが正義になって新しい秩序とルールが生まれるのはいつの時代でも同じですね。
 私の仕事である境界紛争の最終解決は、日本の裁判所ですから、国連と違って公平に機能しています。(ちょっと時間がかかり過ぎですが)ありがたいことですが、できることなら、裁判を利用することなく、丸く収めたいものです
土地家屋調査士 奥村忠士
子育ての目標
  娘は中学で始めた吹奏楽を、高専(高等専門学校)に進学してからも続けています。先日、定期演奏会があったので、私も会場へ足を運びました。
 最終演目が終わり、アンコールを求める手拍子が響く中、唯一の卒業生である5年生(高専は5年制)がマイクを取り、「アンコールの準備が整うまで、少しお話をしたいと思います」と語り始めました。前年は部員が急激に減り、定期演奏会を断念せざるを得なかったこと。「今年こそは」と4年生が声をあげてくれたこと。3年生の部長が大きな負担を引き受けてくれたこと。そして仲間たちが支え合い、今日の舞台をつくり上げたことを、丁寧に話してくれました。
 その話を、ステージ上の娘は客席からでもわかるほどのニコニコ顔で聞いていました。その様子から、娘が仲間に愛情をもてていること、自分が知らない入部前の出来事にも想像力を働かせ、他者の頑張りや気持ちに心を寄せられる人間に育っていることを感じました。娘の笑顔を見て、私も自然と笑顔になり、胸がいっぱいになりました。(春休みに帰省したときは、相変わらずのぐうたらぶりで、こちらが疲れ果てましたが…!)
 起業家であること、シングルで子育てをしてきたこともあり、かつては「社会に必要とされる人間に育てあげること」が親の使命かと考えていたこともありました。しかし、今は離れて暮らし、私がしてあげられることが少なくなったからこそ、「社会の中で関係性を築きながら生きていける人間に」と願うようになりました。
 (これは娘には内緒の出来事ですが…)ある日、娘の知人が私の連絡先を探し出し、「昨日、娘さんと話したのですが元気がなかったので心配で」と、緊張しながら電話をかけてきてくれたことがありました。そのときも、娘が周囲と良い関係を築けていること、そして何より周りの人に恵まれていることに、深く感謝した次第です
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

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