2025年6月15日発行 第270号

埼玉を巡る
  6月中旬にもかかわらず、真夏のような日々が続いています。2007年8月16日、多治見市と熊谷市では40.9度を記録し、国内最高気温を74年ぶりに塗り替えました。その後も、暑い日にはニュースで熊谷の名前をよく耳にしてきましたが、熊谷市は埼玉県のどのあたりにあるのか、恥ずかしながら知りませんでした。
 子供の頃、一番好きな科目は地理で、地図を見てわくわくしていました。しかし、東京の周辺は都市の数が多くて、その位置関係の把握は容易ではありませんでした。また、埼玉県は訪れる機会もほとんどなく、私にとって未開拓の地でありました。
 先日、埼玉県上尾市で所用があり、せっかくなので埼玉県探訪に出かけました。まず、池袋から東武東上線の急行に乗ると、30分ほどで川越に着きました。人口は35万人で、埼玉県では第三位、年間700万人以上が訪れる観光都市です。「小京都」という言葉はよく耳にしますが、川越は「小江戸」との別名を持っていました。江戸時代以前は江戸を上回る都市で、「江戸の母」と称されていたとのことで驚きました。
 駅前からはクレアモールという長い商店街が続いていました。私は、知らない街の商店街を歩くことが大好きで、ここから街の印象を心に刻んでいきます。この商店街を抜けると、歴史的建造物の残る街並みがあり、やはり外国人旅行客で賑わっていました。
 多治見市と「アツいまちサミット」などで交流のある熊谷市は、埼玉県の北部にあり、群馬県に隣接していることがわかりました。距離感としては、東京駅からJRで約65キロ、名古屋駅から恵那駅までの距離に相当します。新幹線の駅があり、人口も19万人ありますが、駅前は少しさびしい感じがしました。
 熊谷からは秩父鉄道に揺られて、長瀞経由で秩父へ。秩父からは西武池袋線で所沢へ。秩父と所沢の街を散策して、3日間の埼玉巡りを終えました。多くの収獲があり、少しだけ埼玉が身近になりました。
 コロナ感染がまた拡大期に入ると、旅する意欲が削がれます。コロナ感染が下火になっている今のうちに、ガンガン旅に出て、未開拓の地を減らそうと思っています。
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
写真を利用するときの注意は?(著作権・肖像権3)
 今回も引き続き,「肖像権」について,お伝えしたいと思います。
誰かの容貌や姿を撮影したり,撮影した写真を利用したりした場合に問題となる肖像権。知らなかったと言っても,肖像権を侵害すれば,訴えられて,損害賠償請求をされることもあります。今回は,肖像権侵害の3つめのポイントについてお伝えします。
 3. 損害賠償金額
 今回の私の事案では,肖像権侵害による慰謝料請求について,20万円が認められ,私と合成された人の肖像権侵害についても,別途20万円が認められました(行為時から支払うまで年3%の遅延損害金も別途発生します。民法改正前は年5%でした!)。
 肖像権侵害による,精神的苦痛に関する慰謝料としての損害賠償金は,10~50万円程度が多いとされていますが,女優さんの合成写真の場合では,一人80万円の慰謝料が認められているものもあります。また,芸能人の場合,パブリシティ権侵害による財産的な損害賠償金が請求され,この場合には,数100万円を越える損害賠償金が認められ,1000万円としたものなどもありますので,注意しましょう。有名人の写真(肖像)などは,それ自体が売られることがあることからも分かりますが,それ自体に商品価値があります。法的に「パブリシティ権」として認められています。そのため,無断で有名人の写真を商用利用するとパブリシティ権の侵害となり,差止請求や損害賠償請求が認められますので注意しましょう。「商用利用」とは,例えば,有名人の写真を勝手に販売することだけでなく,自分のHPに無断で利用することによって,注意を惹きつけるような行為も「有名人の肖像が有するファンを惹きつける力の利用を目的とする場合」として,当たり得ますので,注意しましょう。人の肖像を勝手に使うと,損害賠償金を支払わなければいけなくなる,って知っていましたか?どのような場合に,どのような損害賠償金が発生するって,知っていましたか?安易に人の顔写真を撮影,公表,利用することの危険性,知っていますか? 次回も引き続き,「肖像権」についてお伝えしたいと思います!
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
名前だけの地主さん
  内閣府により、経済財政運営と改革の基本方針2025(いわゆる骨太の方針)の原案が公表されました。その中のひとつに「所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針」があります。そこで、今回所属会の方から多治見地区の調査担当に選ばれました。
 具体的な業務内容については、これから説明を受ける事になると思いますが、簡単に申しますと、「人探し」です。
 殆どの方は、馴染みがないと思いますが、そもそも、誰の土地なのか、わからないというものが存在します。本来は、登記簿に住所と名前が記載されており、戸籍などを使って本人若しくは、相続人へたどり着くことができます。ところが、昔から、登記簿に住所の記載がなく、氏名しか記載されていない物件を調査する訳です。
 実は、過去に何度もそのような土地に遭遇することがありました。民間業務ですから、様々な方面へアプローチするのですが、最後にたどり着くのは、「個人情報とプライバシー」の問題で調査終了、行方わからず、です。しかし、今回は、国の政策ですから、かなり踏み込んだ調査権限を与えていただけると思います。(見つけることができたら、ご褒美にその土地の確定測量業務を貰えないかな?)
 近所の聞き込みでは、ウロウロしていると警察を呼ばれそうになったり、ドヤされたりしますが、何だか謎解きみたいで、ワクワクしております。今後、面白いネタがありましたら、話せる範囲で報告させていただきますね。
土地家屋調査士 奥村忠士
教育委員3年目
  私は、勉強こそそれなりにできましたが、学校が嫌いな子どもでした。勉強が嫌いなのではなく、幼稚園や学校という環境がどうにも苦手なのです。ちなみに幼稚園のときには、園を脱走したこともあります。
 一方、教育に携わる方は、子どものころから学校が好きで、園や学校教育に馴染んでいた方が多いように感じます。「学校という環境に合う人」や「学校が好きな人」だけで見ていると視点が偏ってくるため、「学校嫌い」の私が教育委員になることで、別の視点を提供できるのではないかと考えています。また、母親であり保護者の視点はもちろんのこと、それ以上に、民間人としての感覚や経済人の視点をもちあわせていることも、私がいる意義だと捉えています。
 我が家はこの春まで、長い間娘と私の2人で暮らしてきました。とはいえ、私ひとりで娘を育てたわけではなく、娘は多くの人の支えによって成長しました。保育園や学校・学童の先生方は、時には私以上に長い時間を娘と過ごし、見守ってくださいました。また、大人ばかりの場に子連れで参加させていただくことも多くあり、娘がそこにいることを受け入れてくださった方々が多くいました。娘を見て「大きくなったね!」と驚いていたコンビニの店員さんは、私が送迎できず子どもひとりで通わせていたスイミングスクールの帰りにひとりで入店した子どもを視界に入れて気にかけてくださっていたのでしょう。このように、私の知らないところで、名前も知らない誰かの善意のお世話になっている例もたくさんあります。これはほんの一例であり、私が気づいていないこともたくさんあるでしょう。多くの人に娘を育ててもらったからこそ、私も子どもたちの成長や子育てを微力ながら応援できたらとの思いで活動しています。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
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CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
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