2025年4月15日発行 第268号

外国語を学ぶ
 私の事務所の名刺やホームページには、「英語・中国語対応可」を掲げています。そのおかげで、時々外国人からの問い合わせがあります。私の外国語能力はたいしたことはありませんが、英語や中国語に堪能な専門家と提携して法的サービスを提供しています。
 私にとって英語は高校受験や大学受験のためのものでした。しかし、20歳の時ヨーロッパを1ケ月間、旅をして気付きました。英語は外国人とのコミュニケーションに必須な、楽しい道具であることに。
 銀行に就職した時は、外国為替の部署にいて英語を使う仕事をしていました。また、銀行退職後は、高校生や予備校生に受験英語を教える講師をやっていました。そして、日本に住むアメリカ人やカナダ人とも交流していました。しかしながら、英会話については恥ずかしいほど進歩がなく、映画など字幕なしではわからないという状態のままです。
 そんな私を勇気づけてくれたのが中国語です。大学時代、第二外国として2年間、その基本を学びました。その後は遠ざかっていましたが、中国の深圳を訪れる機会があり、そこで中国語会話のおもしろさを発見しました。私にとって、英語よりも中国語のほうが聞き取りやすいと実感したのでした。また、アメリカ人の思考方法はピンとこないことが多いのですが、中国人の思考方法はわかりやすく、その主張を推測しやすいことも会話の楽しさにつながりました。
 以後、多くの中国人や台湾人と交流して中国語会話を楽しんでいます。また、ネットテレビで中国のトレンディードラマを見て、中国社会への認識をアップデートしています。しかし、中国語会話能力は、流暢にはほど遠く、そこそこ言いたいことが言えるレベルです。You Tubeには素晴らしい中国語会話講座があり、日々努力は続けていますが。
 英会話との相性は良くない私ですが、中国語は楽しく学んでいます。こうした日本人は私だけではないようです。韓国語にはまっている若い人も増えているようです。受験のための文法重視の英語教育は、我々に英会話上達への壁を作っています。中国語会話や韓国語会話に挑戦すれば、思わぬおもしろさを発見できると思います。
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
写真を利用するときの注意は?(著作権・肖像権1)
 今回からは,私自身の経験から,意外と知られていない『肖像権』について,注意が必要だと感じていますので,お伝えしたいと思います。
 誰かの写真を利用した場合に問題となる肖像権。知らなかった・・・と言っても,肖像権を侵害すれば,訴えられて,損害賠償請求をされることもあります。
 私自身の事案で私の写真を勝手に利用したことで,肖像権侵害が認められ,損害賠償請求が認められましたので,ご紹介しながら,どんな場合に「肖像権」侵害となってしまうのか?についてお話します。肖像権って,そもそも何?肖像権侵害になるのは,どのような場合?肖像権侵害による損害賠償金額は?について,3つお伝えしていきたいと思います。
 1.肖像権とは 
肖像権とは,一般的には「承諾なしに自分の容貌や姿態を撮影されたり,撮影された写真を無断で公表・利用されたりしない権利」です。
 肖像は,個人の人格の象徴であるため,人格権に由来するものとして,自己の容ぼう等を撮影された写真をみだりに公表されない権利だけではなく,これをみだりに「利用」されない権利も含みます。そのため,容ぼうを撮影した写真が既に公表されている場合であっても,無断で「利用」することは肖像権侵害になりうるので注意が必要です。
 典型的には,例えば,芸能人の方の顔写真と別の人の裸の写真を合成するような場合になります。今回の私自身の事案も,既に公表されている私の写真データを利用し,合成した写真でしたが,その肖像を利用された私の承諾を得るものでなく,違法行為と認定されたことになります。また,以前お伝えしていますが,写真の無断利用は,写真を撮影した方の著作権侵害にも該当しますので,注意が必要です。
 撮影したアイドルなどの写真,勝手にSNS投稿してもいいと思っていませんか?
 公表されている写真を,勝手に自分のために利用してもいいと思っていませんか?
 次回も引き続き,『肖像権』についてお伝えしたいと思います!
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
狭隘(きょうあい)道路
  令和7年4月より多治見市内の狭隘(きょうあい)道路の取扱いを市役所に代わって土地家屋調査士が行うことになりました。
 狭隘道路とは、建築基準法上の用語で、幅が4m未満の道路のことです。
 例えば、自宅の建替えなどで前面道路の幅が4m未満の場合、道路の中心から2m下がったところから建築しなければならない(セットバック)ため、狭隘道路の申請が必要になってくる訳です。
 今までは、道路との境界立会いのついでに市役所の担当者が現地に来て、道路中心を指示してセットバックしていましたが、この作業が意外に大変で、しかも測量が伴うため、業者の我々が現場作業から図面作成まで無償で行っていました。
 長年この業務に携わってきて思うことは、狭隘道路は住宅密集地に多く、しかも古くから宅地として利用されている地域のため、過去の経緯や歴史的な背景が重要視され、道路の中心が決まらないこともあります。更に、市役所の職員が多忙で対応しきれないことや、市の立場では伝えづらい・行いにくい事柄について(セットバック部分の固定資産税の取扱いや寄付などの今後の対応)民間の我々が公共事業の一環として担うことで、より柔軟かつ迅速に市民サービスを提供できると言うわけです。
 ちなみによくある質問ですが、自身の土地が道路として使われている場合などは、余程のことがない限り行政は買収してくれませんし、今までの固定資産税も返却してくれませんのでご注意してください。
 ところで、いくら貰えるのかな〜楽しみ、楽しみ、(あ、皆様の税金だった!)
土地家屋調査士 奥村忠士
真実は「つくられる」ものなのか
  娘が小学生のとき、冬休み明けの学校に雑巾を持っていくことになっていました。
 娘は、雑巾を教卓に出したそうです(ただし他の多くの子より早く)。しかしその後、近くにいた子が娘について「〇〇ちゃん(娘)は雑巾を出していない」と言い出しました(娘は「出した」と反論しました)。すると、周りの子たちも「〇〇ちゃんが雑巾を出すのを見ていない」と言い始め、それが「〇〇ちゃんは雑巾を出していない」になってしまい、なんと先生にまで「雑巾を出していない」と結論づけられてしまったのです。
 帰宅した娘から電話があり経緯を聞き、その後先生からも電話を受けました。先生には「雑巾が必要なら枚数を教えてくれれば出す。しかし問題は雑巾ではないだろう。『僕はその子が雑巾を出すのを見ていない』と『その子が雑巾を出していない』は同じではない。自分が『雑巾を出した』と言っているにも関わらず、小学生ならまだしも先生にまで『雑巾を出していない』と結論づけられたのは、娘にとって悲しい出来事だったろう」という旨を伝えました。
 このとき、娘は嫌われていたわけでも、周りが娘を傷つけようとしていたわけでもありません。おそらくそこに悪意はなかったのでしょう。それにも関わらず、娘が傷つく事態となりました。
 私は自分のことを「論理的な人間」だとは思っていません。それでも「誰かの根拠なき発言が大衆の合唱に育ち、それが真実であるかのようにされてしまう」社会の現象には強い疑問を覚えます。そしてその傾向が強まっているのではと危惧しています。
 娘の進学先は高専(高等専門学校)。理系の博士たちによる実験とレポートの指導で自分を磨きます。先述のような現象が起こりにくいであろう環境に身をおき、ますます自分で根拠にあたり、自分の目で見て、自分の頭で考える力を育むことを期待しています。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
岐阜県多治見市大日町86番地
CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
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