

相続登記の義務化 |
月刊CPSは、司法書士事務所のニュースレターですが、司法書士業務について宣伝することは、ほとんどありません。その理由のひとつは、おもしろい話題があまりないということです。しかし、本日は皆様にお伝えしなければならない情報がありますので、辛抱してお読みください。 令和6年4月1日より、相続登記の申請が義務化されました。この義務について、正当な理由なく違反した場合、10万円以下の過料の対象となるということで、うちの事務所でも相続登記についての相談が増えています。 相続登記とは、不動産の名義を亡くなった被相続人から、その不動産を取得した相続人に変更する手続きのことです。この手続きは、令和6年3月31日までは任意とされていました。しかし、相続登記をしなくても相続人が不利益を被ることが少なかったせいか、放置されている事例が多々あり、これが国全体の所有者不明土地の増加という社会問題となったため、法改正となったわけです。 改正後の基本的なルールとしては、相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないとされました。その他の関連する規定も設けられましたが、本日は基本的ルールだけ押さえておいていただきたいと思います。 なお、令和6年4月1日より前に発生した相続についても、令和9年3月31日までに相続登記の申請をしなければならないとされています。ですから、相続登記を長年放置されている人も、登記手続きに早めに着手する必要があります。 法務局への相続登記の申請については、自分ですることも可能です。しかしながら、法的判断に加え、必要書類の収集等に手間がかかるため、登記のプロである司法書士に依頼されることをお勧め致します。 不動産の登記名義が、亡くなった曽祖父や祖父などになっているケースもあります。こうした相続登記には時間が相当かかりますので、お早めに! |
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治 |

著作権侵害されたら,どうしたらいい? (侵害回復のための方法・その2) |
今回も引続き,自分が著作権侵害をされた場合には,どうしたらいい?特にインターネット上で侵害行為が行われている場合に,侵害をやめさせるために出来ることについてお伝えします。 インターネット上の誰かが管理するサイトで著作物を無断公開されてしまう場合,短期間で多数の人に閲覧され,その侵害の速さや侵害される範囲の大きさなどから,早期の侵害防止措置が必要です。しかし,誰かのHPなどのサイトで,著作権侵害行為が分かったとしても,インターネットのサイトは,匿名でも作ることが出来るため,被害者にとって,加害者であるサイト管理者(≒HPの記事を書いた人)の特定は困難です。 そこで,インターネットを使った侵害行為の防止という観点から,著作権侵害行為をしているサイト管理者だけでなく,レンタルサーバーを利用させることによって侵害行為を可能にしているレンタルサーバー会社にも,侵害行為をしている記事の削除,閲覧不可能とする措置を取るように著作権者は法的に請求することができます。一方で,インターネットで何かを掲載することは,その人の行為として守らなければならない部分もあるので,誰かから削除請求をされたからと言って,全てレンタルサーバー会社が勝手に削除することは認められません。 そのため,このようなトラブルを調整するために「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(通称:プロバイダ責任制限法)が出来,レンタルサーバー会社などを「プロバイダ等」として,分かりやすく,削除の根拠となる権利毎に分類して,どんな権利の侵害を理由とする削除請求については,どのように行動すべきか,行動基準をガイドラインとして定めています(https://www.isplaw.jp)。著作権関係のガイドラインもここに定められているので,この手続きに従って対応することを,レンタルサーバー会社も求められます。そのため,私も当初は,この手続きを利用すれば大丈夫と思い,レンタル―サーバー会社(仮にG社とします)に対して,当該著作権侵害をしているページについて削除請求をしました。 ところが・・予想外のことが。この続きはまた次回!(笑) |
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号 多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会) |

境界トラブル |
今回は春日井市の住宅街で実際にあった事件を紹介したいと思います。 Aさんは自宅の境界沿いにブロック塀を設置する外構工事を行いました。工事屋さんは現地に埋まっている杭を元に、Aさんと確認の上、ブロックを積んで行き、工事は無事に完了。ところが、完成したブロック塀の位置がおかしいことに気づいたAさんが調査したところ30cm程自分の土地が狭くなっていました。更に調べていくと隣の所有者のBさんが工事の直前に元々入っていた杭を抜いて30cm程広げて杭を入れ直していることが判明しました。どうやらBさんが杭をいじっているところが目撃されていたようです。結局Bさんの息子夫婦が謝罪し、工事をやり直すことなく、30cm分の土地を相場でBさんの息子が買い取ることで話はまとまりました。 しかし、今回はAさん宅のお庭が広かったことで解決出来ましたが、狭い土地で譲ることが出来ない場合は、工事のやり直しでブロック塀の撤去を含めると工事代はとんでもないことになっていたでしょう。 最後にAさんに納得した理由を聞いてみると、Bさんの息子夫婦が謝罪に来た際のお詫びの仕方で人柄の良さを感じ、土地を譲ることに合意したそうです。 いい話ですね、めでたし、めでたし。 |
土地家屋調査士 奥村忠士 |

本を読むことで得られるもの |
2年と少し前から、「本を読んで週に1冊アウトプット」を続けています。今月は「本を読むことで得られるもの」についてお話します。 自分が知らないことを教えてくれる、さらに言うと、「自分に見えている外に世界が広がっていること」を学ばせてくれるのが本です。自分が知らないこと、自分と同一でないことに対して、否定したり排除したり自分と同化させようとするのではなく、想像力を働かせられるようになるのが、本を読むことの最大のメリットではないでしょうか。 「情報はネットで取れるじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、ネットでは「1分でわかる」「まとめ3点」「たったひとつの方法」という手軽に読める記事が目立ちます。まとめ方(切り分け方)は書き手のセンスによるものですし、まとめたときに省かれたものや、白と黒の間にたくさんのことが詰まっているのが現実の社会であるのに、それらをすっ飛ばしてあたかも「理解した」気になってしまうかもしれません。情報を得るだけでなく、複眼的な思考を育むという点でみれば、ネットより本が優位であると言えるでしょう。 また、特に子どもは、言葉の力を育むことで他人と折り合いをつける社会性が身に付くものです。すぐ暴力や暴力的な言葉に走る子は、単純に言葉を知らないだけではなく、出来事や感情の認識にグラデーションがないという脆さもあるのです。 忙しい毎日かと思いますが、本を読むことは自分を豊かにし周りに優しく生きるためにオススメの行為です。 <この話に興味がある方にオススメしたい本> ①「ルポ 誰が国語力を殺すのか」石井光太・著 ②「宇宙人と出会う前に読む本 全宇宙で共通の教養を身につけよう」高水裕一・著 ③「本を読む人だけが手にするもの」藤原和博・著。 |
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子 |

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